一人が一日中かけていた税額計算書の発行を1時間に短縮しました
取引先26社がメールで送ってくる精算書を毎朝自ら読み取り、誰にいくら発行するかまでの台帳を作ります。メールを一つずつ開いてダウンロードし、金額を書き写していた作業がなくなり、人がする作業は発行ボタンを押すだけです。
精算書の確認から税額計算書の発行台帳まで
以前
一人が一日中
以後
1時間
背景
毎月初めになると同じことが繰り返されていました。
メールボックスに入って取引先が送った精算書を一つずつ探し、添付をダウンロードし、エクセルを 開いて金額を一つひとつ書き写し、その整理したものを見て税額計算書を数十件発行します。 一人が一日中ついていなければ終わらない仕事でした。
しかもその精算書は一か所に集まりません。26社がそれぞれ自分の様式で作ったエクセルを 貼り付けて送ってきます。様式は大きく四つの系統に分かれ、同じ項目を呼ぶ名前も置く場所も 違います。ある系統には「供給価額」という言葉そのものがありません。
そしてここで抜き出した金額がそのまま税額計算書になります。
定義した問題
プログラムは正常に動いているのに、結果は間違うことがあります。
- 間違った数字も同じようにきれいに並びます。 26社のエクセルを一つの画面に集めても、 その中の値が合っているかは誰も教えてくれません
- エラーが出ません。だから余計に遅く見つかります。 金額が一マスずれたものは画面に 赤く表示されません。エクセルを一つずつ開いて突き合わせて初めて見えます
- そしてその金額がそのまま税額計算書になります。 間違ったまま出せば加算税が付き、 正すには修正発行をやり直さなければなりません
私たちはこういう箇所を見つけ出し、人が毎月繰り返し確認していたことをシステムに変えます。 だから目標を「集めること」ではなく、「合っているか確認するところまで」にしました。
作ったもの
- 処理したメールをどうするか貴社が選びます — 既読に変えるか、指定したフォルダへ移すか、 何も触らないか。初期値は「触らない」です。 本文を最後まで読んでも未読のままで、 削除も移動もしません。担当者が自分のメールボックスをこれまでどおり使いながら始められる ようにするためで、変えたくなったらそのときに変えればよいのです
- 様式がいくつあってもシステムが自動で見分けます — 取引先26社の様式は四つの系統に 分かれます。一つの系統だけを読み取れるようにすると、残りの取引先が静かに0件になります
- 抜き出した金額をもう一度、別のプログラムで検算します — 金額を読み取る側と、その値が 合っているかを確認する側を別に作りました。確認する側はエクセルを実際に開いて、担当者が 画面で見る値をそのまま持ってきて突き合わせます。もう一重を足すほうを選びました
- 毎朝07:30に終わっています — 精算書は毎月10日に一度に来るのではなく、1日から9日までに 散らばって来ます。だから毎日実行されます。夜の間に何かが止まっていたら、 朝8時に出る1通に載ります
- 直すたびに回し直す自動テスト16個 — 一か所を直した拍子に他の場所が静かに壊れることが ありません
画面は正常なのに金額だけが違う箇所
全部、取引先から精算書を受け取る会社ならどこでもそのまま起こることです。
- 小数点一つで供給価額と付加価値税と合計がずれます。 金額を小数で書いて送ってくる 取引先がいて、その精算書では供給価額に付加価値税を足した値が合計と一致しません。 最初に全部をざっと見たとき427件のうち76件がそうでした。 私たちは精算書が届くたびに一件ずつ検算し直します。だから貴社では金額がずれた税額計算書が 発行段階まで進むことがありません。
- 取引先が送ったエクセルが、プログラムには空欄に見えます。 エクセルで開けばその場所に 金額がきちんと入っているのに、プログラムが読めないファイルが実際に届きます。すると その取引先だけ静かに0件になります。 ところが人の目にはまったく正常なファイルなので、 確認しようとファイルを開いて見た担当者も異常を見つけられません。 私たちは読み込みに失敗したファイルを表計算プログラムで直接計算させて読み直します。 だから貴社では「その取引先は今月は送らなかったのかな」でやり過ごすことがありません。
- 同じ件を二度発行してしまう道があります。 取引先が精算書を送り直すと、担当者が押して おいた「発行完了」の表示が消えます。エラーも警告も残りません。 私たちは担当者が「発行完了」に変えた件は状態をそのまま守り、金額だけ更新します。 だから貴社の担当者が下した決定を自動収集が覆すことはできません。
見つけ出したもの
発行を間違わせるのは計算だけではありませんでした。以下は全部、発行してはいけないものを 発行するか、発行すべきものを漏らす箇所です。
- 金額がマイナスの精算書が届きます。 翌月に相殺するという意味ですが、これをプラスに 読むと発行しなくてもよい計算書が出ていきます。今は「発行不要」として別に区別してあります
- 「発行しなくて結構です」がエクセルではなくメール本文にだけ書かれて届きます。 添付だけを見るシステムはこれを見落とします。だから本文の文も一緒に読みます
- ある取引先が送ったファイルの中に別の会社の名前が書かれていました。 その表記を信じて いたら、他人の金額が貴社の金額に合算されていたでしょう。会社の判別はファイル名だけでします
- 受信トレイではないフォルダに届く取引先がいて、スパムフォルダに押し込まれる精算書も あります。 受信トレイだけを見ると、その取引先は「2か月、消息なし」に見えます。 だからといってスパムフォルダを丸ごと読ませるようにすると、知らない送信者の添付まで台帳に 載ってしまいます。今はあらかじめ登録しておいた取引先のアドレスだけを指名して探します。 登録されていないアドレスが送った添付が貴社の発行台帳に載る経路はありません
結果
メールが来れば発行台帳が自ら埋まり、その中の値が合っているかが毎回確認されます。 2026年7月分46件を表計算プログラムで直接開いて突き合わせたとき、不一致は0件でした。
一人が一日中ついていなければならなかった仕事が1時間で終わります。 メールを開き、26社の 四つの系統の様式を見分け、金額を抜き出し、検算し、別のプログラムで交差確認し、 誰にいくらをいつまでに発行するか台帳を埋めるところまでが毎日07:30に終わっています。 担当者がするのは発行ボタン一つです。
見るべきものもシステムが選んでくれます。マイナス精算やエラーが混ざった件は別に立てておき、 2か月以上消息が絶えた取引先も一緒に知らせてくれます。毎月「今月は全部来たかな」を記憶で 確認しなくてもよくなります。
だから貴社は
メールで精算書・明細書・請求書を受け取り、その数字で税額計算書や請求書を作る会社なら そのまま当てはまります。取引先が26社でも3社でも同じ構造で作ります。 取引先ごとに様式が 違うこと、金額が小数で来ること、中にはメール本文にだけ条件を書いて送ってくること — 全部、 私たちがすでに一度経験して解決してある箇所です。担当者に残る仕事は確認して発行ボタンを 押すことです。
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私たちが自社を回すのに使っているほかのシステムは 社内運営の自動化にまとめています。
出典
代表の書面陳述と社内で稼働中のシステムの実行記録